タイヤが劣化すると徐々にひび割れがひどくなります。
タイヤ溝の減りとは違い、あまり緊急な危険性が無いように感じてしまいますが、ひび割れが進行すればバーストなどの原因にもなり得るためとても危険です。
ある程度の年月が経てば、少なからずひび割れは発生します。
しかしどの程度のひび割れが危険なのか、タイヤの知識が無ければ分かりませんよね。
今回はそんなひび割れの原因や危険性、防止方法、劣化状態を確認する方法などを簡単にご紹介していきます。
タイヤのひび割れ放置はバーストする可能性もある
バーストという言葉をご存じでしょうか。
まずこの動画をご覧ください。
かなり危険な事故だという事がわかります。
一歩間違えれば撮影者の車に直撃していたことでしょう。
バーストとは劣化により、タイヤにかかる圧力に耐えきれず爆発する現象のことを指します。
この動画ではトラックの左前のタイヤが「ボンッ」と言う音と共にタイヤが爆発し、ハンドルの制御が利かなくなり左に流されてしまいました。
バーストには自分の車だけでなく、他車をも巻き込んでしまうという危険性も潜んでいます。


ひび割れの補修は残念ながらできない
ひび割れを補修することはできません。
なぜ補修不可なのか、輪ゴムで考えれば分かりやすいと思います。
輪ゴムも使わず放置していると劣化し、伸縮性能が失われ、無理に引っ張るとブチっと切れてしまいますよね。
タイヤは輪ゴムと見た目が全く違いますが、タイヤもゴム製品でありゴムの特徴である伸縮性能を使い、走行時の衝撃を和らげているのです。
タイヤの伸縮性能が無くなれば、空気圧や車の荷重により、タイヤにかかる圧力に耐え切れず、異質なふくらみが出たり、ひどい時にはバーストし大きな事故になることもあります。

ひび割れの防止・対処はどうする?
劣化しないタイヤは存在しませんが、劣化を防止することはできます。
どれも簡単にできることばかりであり、この方法を行うことで格段に劣化を抑えることができ効果的な方法です。
では具体的な対処方法を4つご紹介します。
ひび割れ防止剤を使うのもおすすめ
まずひび割れを防止するために「防止剤」を使うという方法があります。
車商品取り扱っていることで有名なシュアラスターというメーカーをはじめ、様々なメーカーから販売されており、お値段もお手頃です。
防止剤をタイヤに塗り込むことにより、紫外線からの劣化を防ぎます。
駐車場に屋根がない方には特にオススメな方法といえるでしょう。
定期的に空気を補充する
ひび割れに限らずタイヤの劣化には空気圧が影響してきます。
空気圧が低すぎると適切な張りが保てず、偏摩耗やシワ部分からひび割れが発生することも。
走行時も不安定な状態が続くので特に危険です。
「新品のタイヤだから空気が減らない」と思ってしまう方は多く、気づいたときには空気圧がかなり減ってしまっていた、なんてこともよくあります。
古いタイヤに限らず新品タイヤでも、月に1度は空気圧のチェックを行いましょう。


タイヤカバーで紫外線・雨風を防ぐ
タイヤカバーも効果的な方法のひとつです。
物理的に紫外線からタイヤを守り、劣化を防いでくれます。
あえてデメリットをあげると、毎回タイヤカバーを掛けたり外したりしなければならないという手間が発生する点。
車に装着しているタイヤにはあまり使われておらず、どちらかといえば家で保管しているタイヤに使われることが多い商品です。

運転頻度が少ないと劣化が早まる
車の使用頻度もひび割れや劣化に大きく影響します。
何度も言いますが、タイヤはゴム製品であり、タイヤを全く動かさないと重力により変形したり、日の当たり具合によって劣化が均等にならない、などといったデメリットだらけです。

ひび割れの原因はなに?
いつまでもキレイなタイヤでいたい気持ちは分かりますが、どうしてもタイヤは劣化しひび割れを起こしてしまいます。
ではひび割れの原因は何なのかをご紹介していきましょう。
高温多湿の場所は劣化する原因になる
タイヤは紫外線に弱いとお伝えしましたが、紫外線と同様に高温多湿にも弱く、劣化を早めてしまう原因になり得ます。
タイヤはゴム製品ですが劣化防止剤をゴムの中に練り込んでおり、高温多湿の場所に保管していると、劣化防止剤の成分がタイヤの中から抜けてしまいひび割れが発生。
使わずに保管していたにもかかわらず、ひび割れが発生していた、なんてことにもなりかねません。


油性タイヤワックスの使用は危険
ツヤのあったタイヤでも古くなると、どんどん白くなりかっこ悪いですよね。
そんな時にはタイヤワックスを使用すれば、ツヤが出るのでキレイになりますが注意点として、油性タイヤワックスを何度も使用するとひび割れの原因になってしまうという点。
油性タイヤワックスも高温多湿の条件と同じく、劣化防止剤の成分に悪影響を及ぼします。
もし愛車に履かせているタイヤの側面だけにひび割れが発生しているならば、タイヤワックスが原因です。


洗車をやりすぎないようにする
洗車に使う洗剤もタイヤにはよくありません。
車の中で特に汚れがつくタイヤ付近。
洗剤で洗いすぎると、劣化の原因となってしまいます。
洗車をマメに行う方は、できるだけタイヤ付近には洗剤をかけないように注意しましょう。
まとめ
タイヤのひび割れがひどくなると、事故の可能性が高まりとても危険です。
バーストと呼ばれるタイヤの破裂は、ひび割れや劣化によって発生し、いつ起こるのか予測ができません。
そして走行中にタイヤが破裂すると、ハンドルを取られ車が制御不能となってしまいます。
ひび割れが起こったタイヤを補修できればいいのですが、残念ながら劣化やひび割れを元の状態に戻すことはできず、タイヤを大切に扱い劣化させない努力が必要です。
タイヤの劣化原因には紫外線や、高温多湿での保管、油性タイヤワックスなど様々な原因があり、性能を落とさず長く使いたいのであれば、ひび割れ防止剤を使用するという方法があげられます。
その他にも定期的な運転や空気圧の調整、タイヤカバーの使用など簡単に行える予防策はたくさんあり効果的です。
車のタイヤは安全面において特に重要な部品なので、大切に扱っていきましょう。